稼いだ金全部使うウーマン

賃金を燃やした炎で不確かな足元を照らす日々

2024年1-3月 エンタメ消費

昨年終盤に力尽きてから、年明け以降もなんか腰が重くて滞留していたエンタメまとめを心機一転(?)2024年Q1分としてまとめて放出!

記憶が薄れているものも多いけど、再開することに意味があると信じる。信じる力。

 

 

 

展示

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≪テオ・ヤンセン展≫千葉県立美術館

2024年初展示はこちら。あとり氏(id:aatorii)、yukiさん(id:senayuki)と一緒に行きました。「現代のレオナルド・ダヴィンチ」と称されるオランダの巨匠テオ・ヤンセンの代表作ストランドビーストが一堂に会する(?)展示で、すごい興味深くて面白かった!展示に行くまで、ストランドビーストのことはSNSで動いてる動画とかを見たことあるかも?くらいの認知だったんですが、そんなニワカ野郎でもテオ・ヤンセンのつくる世界観とストランドビーストの歴史(?)を理解できる作りでとてもよかったな。しかしただ動くだけかと思いきや、想像の100倍は世界観が作られていて圧倒されてしまった。友達と行ったことによってあーだこーだ言いながら見れたのも楽しかった。


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シュルレアリスムと日本≫@京都文化博物館

1月の京都旅行で鑑賞。この展示今思い出してもとてもよかったと思う。

シュルレアリスムの日本での展開の系譜をたどっていくように見ていく構成で、ボリューム感もちょうどよくてとても興味深かったし見進めるごとに人間の精神世界って無限だなという凄みを感じられる。日本におけるシュルレアリスムの発見と展開、その後の迫害と戦後の表現変化という変遷が見れたことも良かったんだろうな。夢幻の世界に表現の可能性を見出す繊細な内向性がいたずらに迫害されるような脳筋な世の中に戻ってほしくないなとすごく思う。


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≪クモの糸をつかむ≫@MtK Contemporary Art

こちらも1月の京都旅行で鑑賞。小規模展示ってカバーしきれないことが多いんだけど、より身近な距離でアートを感じられる感じでいいな〜と思う。


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≪小林正和とその時代―ファイバーアート、その向こうへ≫@京都国立近代美術館

こちらも1月の京都旅行で鑑賞。

繊維でできる表現の多様さに驚くし、繊維というテクスチャってどこか民族的な感じもあるし、一転してSF的な未来っぽさも出せるしすごっとなった。過去も未来も土も金属も混ざり合ってるような不思議なかんじで見れば見るほど見飽きない楽しさがあった。でかい展示会場にデカい作品がたくさんあったのも最高〜!


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≪恵比寿映像祭2024 月へ行く30 の方法≫@東京都写真美術館

2月に鑑賞。恵比寿映像祭に初めて参加したんですがまさかの全展示無料でびっくり。作品数も多いし、展示もかなり気合入っていたのでこれを無料開放とは太っ腹だな!と感じ入ってしまった。

超ボリュームだったのでやや数に圧倒されて途中流してしまったところもあったんだけど、金仁淑(キム・インスク)の城北洞を舞台にした作品群がとても好きで印象に残っている。ここに行ってみたいな、と思わせるチャームが満ち満ちていて素敵なロードムービーを見た後的な高揚感と切なさみたいなものを感じた。


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≪印刷/版画/グラフィックデザインの断層 1 9 5 7 - 1 9 7 9≫@国立工芸館

3月の金沢旅行で鑑賞。日本のグラフィックのトレンドとかムードの変遷が見れて面白かった。グラフィックって絵画とも写真とも違う、ひたすらに「惹き」の表現なんだなーと思った。こういう気づきってまとまってみていかないとなかなか感じられないことが多くて、数見るって大事だな〜と毎回思う。


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金属工芸コレクション展≫@石川県伝統産業工芸館

こちらも金沢旅行で。規模は小さいながら多種多様な超絶技法を間近で見れて迫力があった。工芸の良さ、最近やっと感じられるようになってきた気がする!そういうのってなんか嬉しい。年を重ねていくと増えていく感性の箱があるのって生きていくうえですごく大切なギフトだよなと思う。


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≪少女たちのお手紙文化1890-1940展≫@町田市民文学館

年末に府中市美術館でポスターを見て気になっていた展示。明治期から昭和初期までの女学生たちのカルチャーを「お手紙(文通)」から見ていく構成で、便箋や文具のモダンなかわいさはもちろんお手紙の内容から当時の女の子たちの楽しみやときめきを窺い知れるようでとても楽しかった。当時、女学生という立場になれたのは裕福で頭もいい同時代の女の子たちのほんの一部だったわけだけど、そんな選良であるところの彼女たちも卒業すればすぐ結婚して「家庭」というイエ制度に合流させられていたのだと思うとお手紙の中の無邪気なおしゃべりのきらめきはまた違った切なさみたいなものもあるなと感じた。

書籍

『一生楽しく浪費するためのお金の話』 (著)劇団雌猫

発売当初に買って一度読んだものを再読。初めて読んだ時も面白く読んだ記憶があるんだけど、35歳を目前にして財政見直しするか~というモチベで読んだら入ってくる”力”が違ってすごかった。当事者性をもって摂取する読書の強さよ。

2019年刊のものなので制度とかいろいろ変わっているところもあるけど、ベースの考え方などは参考になる。重い腰を上げてNISAを始めることができました、感謝。

『アートとフェミニズムは誰のもの?』 (著)村上由鶴

ここ何年かずっと抱えている裸婦画へのもやもやを整理整頓された感がありすっきりした喜びがあった。アートもフェミニズムも自分の感性になくてはならない要素だと感じているんだけど、ともすると狭い範囲で理論武装して凝り固まってしまうものであるということをちゃんと意識していかなきゃいけないなと思う。

あと作中に出てくる「フェミニズムをもってアートを読み解くということは、批判的に考える勇気を持つということであり、あらゆる対象について差別的な構造を温存する読み方をしないということ」という方針は今後も自分の軸にしていきたいと思う。

『結婚とわたし』 (著)山内マリコ

単行本発刊当時も読んだんだけど、書き下ろし&再構成して別本レベルになっていると聞いて文庫版も購入しました。夫婦間は対話とすり合わせを繰り返しお互いを生活にしていくことだというメッセージが単行本版よりクリアに伝わってきて面白かった。

『烏に単は似合わない』 (著)阿部智里

5年位前に買ってずっと実家に置きっぱなしにしていたものをついに読んだ。2020年ごろにコミック版が無料開放されていた頃に読んで物語の大筋やオチは知っている中で読んだんだけど、文章で描かれるとこういう感じの表現なんだなという楽しみ方ができた。次作と対になる構成のようなので、機会を見て次作も読んでみようと思う。

わっしょい!妊婦

わっしょい!妊婦

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『わっしょい!妊婦』 (著)小野美由紀

友人が妊娠した&自分も婦人科系で思うところが見つかったりしたのもあり、妊娠エッセイ読みたい熱が高まりチョイス。妊娠エッセイって子育てエッセイとはまた違ったパワーがあるので興味深いんだけど作品ごとに相性がかなりある。この作品とはあまり波長が合わなかったかも。このジャンルの持つ圧倒的なパワーみたいなものをポジティブに受け止められる時と、うっ輝きが強い…ッとなってしまう時がある。これは受け手の問題だと思う(すごく面白く読んだ作品もあるので)時期を変えて再読したらまた感じることも違うのかもと思うので、半年後くらいにもう一度読もうかな。

『キリンに雷が落ちてどうする』 (著)品川遊

定期的にオモコロ界隈を物凄い摂取したくなるムードの時があり、今がそれ。記事ブーム➡動画ブームときて今は音声配信系コンテンツをよく聞いている。その中でもニュースオモコロウォッチが好きで、数々のエピソードでダ・ヴィンチ恐山氏のものの見方とか言語化能力すげ~なと思うことが多々あった。ので活字だとどうなのかなとエッセイを購入。

文章だと独特のシニカルな視座と人間LOVEな情緒が混ざり合ってるカオスな感じがより際立っていて面白かった。ネットや文章を見て面白いけど偏屈そうだなと思っていた人が実際出会うと以外にマイルドに感じるというのを逆再生で体験した気分。

別の人

別の人

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『別の人』 (著)カン・ファギル

これかなり良かった作品。デートDVなど女性がさらされる暴力を描きながら、過去に自分がした過ちやコンプレックスと向き合いその後の人生を生きていく難しさと希望を描いていてすごくぐっときた。ミステリー形式で話が進んでいくので、中だるみなく一気に読み進めたくなる疾走感もある。

『老犬とつづ井』 (著)つづ井

つづ井さんの描く世界にものすごい涙腺を刺激されることが定期的にあり、これもそうだった。愛情をもって接し、愛情を返される関係値の尊さ…。つづ井さんの、他者に愛情をもって接することや他者を善的にとらえることに臆さないスタンスってすごくかっこいいと思ってリスペクトしている。

私も過去なんどか犬が寝るまでスペースに参加しスタンプを押したりしてたので、その行動が何かしらのパワーを与えられていたなんて嬉しいなと思った。

『美しい彼』 (著)凪良ゆう

寝付けなかった日になんとなく「BL読もう」と思って検索。評判よさげなこちらをチョイスしてあっという間に読破しました。久々にオリジナルBLを読んで、衰えていたBL筋(とは)がぐんぐん刺激されていくのを感じて面白かった。

漏れ鍋に綴蓋カプ末永くお幸せに…という気持ちでいっぱいとなりました。あとがきで作者が「気持ち悪い崇拝気質な攻めに気弱な受けをあてると受けが気の毒なので、受けを傲慢な性格にした」みたいなことを書いていてその大正解選択に「プロはすごい」と感心してしまった。カップリングバランス感覚に感服、未だに定期的にこのチョイスの巧みさを「すげぇな」と感じている。なぜこんなにも響いたのかは謎です。

『プレイアフターコール』 (著)オオタコ マメ

BL読みたいモードが高まりまくり、SNSでおすすめを募集したくさんの知見を得た。そのおすすめの中にあったこちらもとてもよかった。まず絵がきれい。絵がきれいだよ~~~性的同意を絶対取るカップリングでとてもよかった。モブが意地悪じゃないのもいいよね。末永くお幸せに…

『ふったらどしゃぶり~When it rains,it pours~』 (著)一穂ミチ

こちらもおすすめからチョイス。一穂ミチ作品のおすすめがものすごい来ていて「ただものじゃない」という期待感マシマシの中で読んだのに、期待を裏切らない面白さだった。感情の推移と行動、結末に納得感がありつつ恋愛もののカタルシスもあるんだよな。お見事なお手並みです。末永くお幸せに…(すべての締めこれになってしまう)

映像

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ドラマ「鎌倉殿の13人」

年始からなんのエンタメ見てたって、これを見ていた気がする。世間から遅れまくること幾年月、ついに「鎌倉殿」を完走した人類になりました。テンポのいい会話と引きの強い展開、清濁入り混じる魅力的なキャラクター。こりゃ面白い、こりゃ人気ですねって納得止まらぬ状態でした。私は頼朝はじめ、「鎌倉殿」という重責に翻弄される男たち3人に胸躍らせながら(人でなしかよ)楽しみました。しかし時代劇見れば見るほど「この時代に生まれなくてよかった~~~」という気持ちでいっぱいになる、逆織田裕二状態。無法すぎて無理みつよし、私にこの世界は強すぎる…。


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映画「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」

夫の熱い要望により見に行きました。ジョニデ版のウォンカしかしらなかったので、シャラメウォンカのキラキラさにはじめチューニングが合わなかったものの、家族でみて楽しい良質なホリデー映画だったなと思う。夢はかなうよ、世界は美しくハッピーなものなんだよっていうメッセージのあふれた作品を作ることの大切さっていうのを最近強く感じているので。あとチョコ食べたいな~という気持になるチョコ推販映画であった。

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Netflix「ハウ・トゥー・ゲット・リッチ」

TLにおすすめで流れてきて気になってみたら面白くてあっという間にすべて見終えてしまった。ファイナンシャルプランナーが視聴者のお金の困難を棚卸していくリアリティショー。困難な状況により貧困に陥っているひとというよりは、ある程度収入はあるのにお金への理解が低かったり、苦手意識からくる後回し根性によりジワジワとしんどい状況になってますみたいな登場人物が多く「他人事ではない」という感覚がスリリングだった。

以上!この3か月はかなりの時間を鎌倉殿視聴に費やしていたので、他のエンタメなんてほぼ摂取していない気がしていたので振り返ってみるとまぁまぁ色々カバーしていて驚いた。記録することで脳の海馬に定着することもあるから面倒くさがらずまとめは続けていきたいなと改めて思ったりもしました。この3ヶ月は活字をあんま読まなかったなという気がするので、4月からは移動時間などで意識的に本を読んでいきたいな。

完!

 

▽過去のエンタメまとめもよければ~

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