まとめたいな~~~と思いつつ、うっかりしていたら三か月分溜まってしまったエンタメ消費をまとめて放出。
もはや記憶が薄くて入れ忘れてるものとかたくさんありそう。
でもとりあえず写真とメモが残っているものだけまとめました。量も多いのでここの感想はいつもにましてさらっとしているかも。あと旅行記事でまとめているものはそのままリプライズ(?)しているところも多々です。
長いので気になる項目からどうぞ。
- 書籍
- 映像
- 展示
- KYOTOGRAHIE京都国際写真祭
- 平等院鳳凰堂 鳳翔館
- ポーラ美術館≪部屋のみる夢≫
- HIRAKU Project Vol.14「丸山 直文 水を蹴る―仙石原」
- 名古屋市美術館≪コレクションの20世紀≫
- DIC川村記念美術館≪芸術家たちの南仏≫
- 東京都現代美術館≪Tokyo Contemporary Art Award 2021-2023 受賞記念展「さばかれえぬ私へ/Waiting for the Wind」≫
- 東京都現代美術館≪MOTコレクション 被膜虚実/めぐる呼吸≫
- 弘前れんが倉庫美術館≪大巻伸嗣—地平線のゆくえ≫
- 青森県立美術館≪コレクション展≫
- 十和田市現代美術家 常設展
- 十和田市現代美術館≪劉建華 「中空を注ぐ」≫
- ギンザエルメス フォーラム≪エマイユと身体≫
- アーティゾン美術館≪ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開≫
- 国立新美術館≪テート美術館展 光≫
- 国立新美術館≪蔡國強 宇宙遊 ―〈原初火球〉から始まる ≫
書籍
有吉佐和子「悪女について」
一時、TLで同時多発的にものすごい読まれており「何…!?」となって読んだ。
一代で財を成し不審な死を遂げた女性実業家を、周囲の人間が回想していく構成でサクサク読めて面白かった。登場人物誰かがいわゆる”信用できない語り部”なのかな思って読み始めたけど別に誰も嘘はついていなくて、一人の人物がそれぞれの人で様々な形で見えていただけっていうのがいい。人は他者を自分の見たいようにしか見ないし、様々な欲望を形を変えてぶつけていくんだなというのがすっと落ちてくる感じ。
田嶋陽子「愛という名の支配」
ずっと読みたいな~とうっすら思っていた田嶋陽子作品が、ある時いっきに電子書籍化したので一番有名どころのこちらを読みました。
田嶋陽子が自分の考えて、掘り下げて、自分のものにした自分のフェミニズムを語ってる感じでよかった。自分が心地よく生きるための思考がその人のフェミニズムで、そのフェミニズムがその人を縛ってしまうのであればまた新しいフェミニズムを作っていけばいいみたいなことを言ってるのが好きだった。
竹内佐千子「イケメンに会えない今、私たちはどう生きるか。」
このシリーズ、地味に読み続けている。シリーズを追っていくと、どんどんイケメンとのふれあい方(?)が形を変えていくことが分かって面白い。うまくいくときもいかないときもあるけど必死に生きてる感、好き。
映像
映画「ウーマントーキング」
とてもよかった。女性たちが対話しながら新しいチャンスをつかむために行動するさまにぐっと来たな。人との対話をやめちゃいけないなと思うし、自分の弱さも他者の弱さも開示して受け入れていくことによる、とれるチャンスの多さを思ったりしました。
映画「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」
夫に連れられて鑑賞。インディジョーンズの過去作を全く見てないのでポカーンかなと思いきやこれだけでも普通に楽しいエンタメ作品でした。引退目前の壮年男性が奮起する系、流行ってんなぁ~。作中、ヘレナが「困ったときはダイナマイト!」って言っててなんか面白かった。火力で解決。
映画「君たちはどう生きるか」
※ネタバレしてないですがコンマも情報入れたくない人は注意。
公開直前になるまで、正直ジブリがこれを作ってるのすら知らなかったんですが、いざ公開となるとせっかくだし真っ白な状態で見たいわと思って早々に見に行きました。私は作品の深読みが苦手なので見たままにしか受け取れないんだけど「作画すごい」というのと、駿の癖(ヘキ)をが~~~っと詰め込んだのかな~っていう感想を持ちました。あと、駿はお母さんに会いたいんだな~~って思ってなんか切なくなっちゃったな。私も早くに亡くした父に会いたいなと無性に思うことがあるので、(全然違うのかもしれないけど)失った親たるものへの消し去れない憧憬みたいなのは何となくわかるよ~って感じ。
展示
KYOTOGRAHIE京都国際写真祭
・松村和彦≪心の糸≫
・高木由利子≪PARALLEL WORLD≫
・マベル・ポブレット≪WHERE OCEANS MEET≫
法事で父の地元たる京都へ里帰り(?)したので、隙間時間にキョートグラフィに駆け込んできました。もともとはあとり氏(id:aatorii)が「すごくよかった」と絶賛していた松村和彦≪心の糸≫が見たいなぁと思っていて、そしてそれは本当に素晴らしかった。認知症の人々をすごく優しく繊細に写し取っていて、祖父母の晩年を思い出して泣けてなけて仕方なかった。でも悲劇だけではなく、絆がまたつながるような希望を残しているのがとてもよかった。
高木由利子≪PARALLEL WORLD≫は、Dior展の作品が素晴らしかったので他の作品も見たくて訪問。さすがの知名度で大行列だった。作品もすべて美しい&洗練されていてクチュールって民族衣装の派生だなぁということを思ったりしました。
マベル・ポブレット≪WHERE OCEANS MEET≫は、ノーチェックだったけどとても面白かった。様々な青がキラキラしててきれい。繊細でガーリーに見えつつ、細かく切り刻まれて再解釈されてるような空恐ろしさもあったりして見てて楽しかった。
平等院鳳凰堂 鳳翔館
夫の推しスポットこと平等院鳳凰堂隣接の博物館。せっかくだし見るかくらいのテンションだったのに展示がどれもすごく面白くて大満足だった!
さすが国宝建築隣接物件(?)めちゃくちゃいいもん置いとるわ(そりゃそうか)
特に雲中供養菩薩像が本当に洗練されていて美しく、「仏像ってスゴ!!!!」と目が開く気分でした。こちらも国宝だそう、納得の美しさです。(画像は拾い画です)
ポーラ美術館≪部屋のみる夢≫
初夏の箱根の美しさに完璧にフィットした展示だった。
光さす、キラキラして安全な幸福なひと時を切り取ったみたいな作品群で、POLA美術館との相性もばっちりでとても好きな展示になりました。佐藤翠の作品が見れて嬉しかった。企画全体がすごく好きで、たまに図録を見返して「好きだったな~」と思いだしている。
HIRAKU Project Vol.14「丸山 直文 水を蹴る―仙石原」
同じくPOLA美術館で鑑賞。
水に溶けだす瞬間みたいなタッチが童話的で素敵だったな。これもまたPOLA美術館の燦燦と降り注ぐ光とすごく奇麗にマッチしていました。美し~
名古屋市美術館≪コレクションの20世紀≫
思いがけず名古屋泊となり、翌日に訪問。名古屋市美術館はじめていったけど、ふとしたところにたくさんアートが置かれている素敵美術館だった。
展示も、20世紀をたどりながら作品を見ていける構成で、アートの変遷を追っていける感じが見やすくて好きだった。普段は抽象画が好きなのに、この展示では風景画にすごく胸打たれて鑑賞ってその時々の自分のマインドに影響されて面白いなぁという実感があったのもいい体験だったと思います。
DIC川村記念美術館≪芸術家たちの南仏≫
大好きDCI川村記念美術館。企画展が変わる度に行ってますが、今回は様々なアーティストが集った南仏をテーマにした展示。
南仏って気候&景観がいいからみんな集まったのかと思っていたので、様々な国境のハブたるエリアにあるため、亡命者や難民たちの中継点であったという背景が知れたのはよかった。母国をいろいろな理由で追われたアーティストたちが描いていると思うと、光さす幸福な風景たちもどこか切なさが含まれるようだな。
東京都現代美術館≪Tokyo Contemporary Art Award 2021-2023 受賞記念展「さばかれえぬ私へ/Waiting for the Wind」≫
大好き東京都現代美術館。こちらも企画展が変わる度に行っていますが、今回はTCAA受賞記念展。前回のTCAAも良かったですが、今回も素晴らしかった。毎回熱量がすごい。特に志賀理江子作品は圧倒的でまだ消化しきれてないです。震災以後の東北を追った作品群なんだけれど、私たちはいったい無意識にどれだけ様々なことを押し付けて、被害者たちを消費し物語性を押し付けてきたんだろうと息苦しい気持ちになってしまう。これは沖縄について考えるときもそうで、答えが全然見つからない。
東京都現代美術館≪MOTコレクション 被膜虚実/めぐる呼吸≫
毎回企画展に行くたびに見るのを楽しみにしているコレクション展。
今回もとっても楽しかった。女性作家作品も多くて、見ていて嬉しい気持ちにもなった。しかし行くたびに思うが、MOTのコレクション層の豊かさよ…。
毎回切り口も面白くて、何度行っても飽きない魅力がある。
弘前れんが倉庫美術館≪大巻伸嗣—地平線のゆくえ≫
青森旅で訪問。
会場全体が異世界になったような幻想的なインスタレーションの数々。部屋が変わる度に「わぁ~」と思わず声が出てしまう、異世界へのタイムスリップ感が楽しい。
特に代表作である「Liminal Air Space-Time」のシリーズは暗闇に一枚の布がゆらゆらはためいている作品で、それが暗い海の波のようにも、天女の羽衣のようにも、ディメンターのようにも見えた。展示全体のテーマが「人や自然、物質世界や精神世界の生と死が円環を成すような死生観」(公式より)だというのも納得。
弘前は桜の季節の何度か行っているんですが、れんが倉庫美術館はノーマークでした。今や「なぜ今までいかなかったのか…」と後悔しきり。今後は訪れるたびにチェックしたいスポット。
青森県立美術館≪コレクション展≫
青森旅2日めに訪れた青森県立美術館。庵野展をやっていてものすごい人入りでしたが、ここはクールにコレクション展を鑑賞。
ご存じ奈良美智作品はもちろん、棟方志功など郷土の有名作家の作品がたくさん。青森っていい美術館がたくさんあってすげ~と思っていたんですが、青森出身の有名作家もすごい多いんだな~と改めて気づかされました。今回ヒットだったのは佐藤ぬいの作品。色鮮やかなステンドグラスのような色彩の数々が見ていて楽しかった。知らない作家を知れるのがコレクション展のいいところ。
十和田市現代美術家 常設展
アートの街、十和田。こんな感じのあおりの雑誌が山ほどあるのも納得のアート力(?)
アイコニックなスタンディング・ウーマンはもちろん、多種多様な現代アートが「こんなに傍によっていいんか!?」ってぐらい近くで見れるのがすごい。8年位前に一度来たときはわからなかった良さとか、その時はなかった作品とか沢山あって「時を重ねてから再訪するのいいなぁ」と思えました。野外作品が何の気なしにいろんなところにあるのもキュート。いい美術館だし、いい街だなぁとしみじみ思います。
十和田市現代美術館≪劉建華 「中空を注ぐ」≫
どこかの美術館でリーフレットを見て「面白そう!」と思っていた展示。想像通りとてもよかったです。フロアぶち抜き系の展示、好き率が高い。
陶器の白磁が美しくも廃墟っぽい空恐ろしさもある。よくよく見ると白菜とかテディベアとかかわいいモチーフのものが散乱していて、遠くから見る面白さとそばによって見る面白さどちらもあるのがよかったな。すべて割れて壊れているので、物質主義の儚さみたいなものも感じられました。
ギンザエルメス フォーラム≪エマイユと身体≫
年始に来た時も凝った展示と作品チョイスに感銘を受けたエルメスフォーラム。今回は釉薬(エマイユ)をキーモチーフにしたグループ展。
当日は酷暑日で、うそみたいな斜光が降り注ぐ会場は白くハレーションを起こしているみたいでまるで幻想の中にいるみたいだった。エルメスフォーラムの建物自体の美しさのもつパワーが満ち満ちていてドリーミーな作品群と素敵にマッチングしていて楽しかった。毎度思うがこのクオリティを無料で見せてもらえるのありがたみしかない。
アーティゾン美術館≪ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開≫
常々、抽象絵画好きかも~という薄ぼんやりした認識をしていた私。これまた大好きなアーティゾン美術館(大好きな美術館めっちゃあって嬉しい)で抽象絵画の変遷をたどる企画展をやるっていうんだから行くっきゃねぇ。と鼻息荒く参戦。
ものすげぇボリュームだよと聞いていたので、恐る恐る行ったんですがマジですごいボリュームで途中やや流した感は否めない。大ボリューム展示、途中流しがち。もったいないなと思いつつ、まぁね…無理はいかん。
でも様々なアプローチの抽象絵画を山ほど見たことで、じゃぁ自分がどんな抽象作品が好きなのかっていうところを掘れたのがよかったなと思います。少ない作品をじっくり見る楽しみもあるし、ザッピングするみたいに数を見て知る楽しみもあるなぁ。
国立新美術館≪テート美術館展 光≫
会社の公休日が月曜だったので、月曜日でもやってる美術館~ってことで久々に国立新美術館に行きました。テート美術館展はスター作品も多いし、絶対むちゃくちゃ混んでるだろうから平日に行きたい…と思っていたのでラッキーだった。しかし平日でもかなり人が入っていて、なるほどこの夏のスター企画展!!って感じでした。
「光」がテーマなのもあり、立体作品も面白いものが多くて楽しかった。光というモチーフが宗教的位置づけからどんどん変遷を遂げていく様を追っていくのも興味深い鑑賞体験だったな。特に初期の作品はコントラストがんがん!!!な大迫力絵画が多く、CG画像などない時代の人がこれを見たときの圧倒的力っていかほどのものだったのかな~と思いをはせてしまった。
国立新美術館≪蔡國強 宇宙遊 ―〈原初火球〉から始まる ≫
東京都現代美術館でいくつか作品を見てから、何となく気になる存在だった蔡國強。大型個展がテート美術館展と同じく国立新美術館でやっているということでハシゴしました。せっかくだし見とくか~ぐらいのテンションで行ったのに、思った100倍好きな展示で胸がどきどきしちゃった。
火薬を使ったドローイング作品は砂曼荼羅をオマージュしている、みたいな趣旨の説明を読んで、自分が蔡國強作品を初めて見たとき感じた「仏教画みたい」って印象に説明がついたようで嬉しかった。(作成過程の映像も面白い。こんな風に作ってんのか~!)
ワンフロアをブチ抜いた会場を大きく横断するように設置されたライトインスタレーションも良かった。色とりどりに輝きが変わりますが、赤い光が特に好きだった。火薬の導火線みたい。そしていわき市で行われた≪白天花火≫の映像も美しくも凄まじくてものすごいパワーを感じました。多分地元の幼稚園児たちが歓声を上げるシーンが映っていてなんだか胸が苦しくなっちゃった。あの子たちはこのアートを見てどんなことを思ったのかなぁ。
蔡國強作品は、「外星人」へのメッセージが根底にあるというのも今回知れてよかった。自分たちの知らない、はるかかなた先の何かへメッセージを送るってドリーミーでいいなぁと思います。ロマンチックな作品大好き。人間の柔らかさを感じる。
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以上!3か月分あるので長い。読んでくれた方ありがとうございます。
しかしここ最近は活字を全然読まなかった時期だったことが感じられる結果だな、その分展示には熱心に通っているようだ(他人事?)
美味いもん消費もですが、ちょっと溜めると途端におっくうになってしまって放置しちゃうので今後はこまめにメモを残そうと思います。まとめると読み返した時楽しいのでできるだけ続けたいのでね。
まだまだ暑いですが、今後も楽しいエンタメを沢山接種していくぞ!
完!!
▽前回のエンタメ消費まとめ