急に寒い!なんなの!?と思ったけど、考えてみればもう10月半ばなわけで、ちょっと前まで冷房つけてたのがやばいっちゃやばい。地球…どうかこれ以上HOTにならないで…(人類のせいなんだけど、それはごめんなんだけど…)
そんなCRAZYにHOTだったSUMMERこと7月~9月に摂取したエンタメを振り返りました。
溜めてたせいで相変わらず長いです。
- 映像
- 書籍
- マリリン・トールド・ミー (著)山内マリコ
- お砂糖ひとさじで (著)松田青子
- 回復する人間 (著)ハン・ガン(訳)斎藤真理子
- オール・ノット (著)柚木麻子
- 水車小屋のネネ(著)津村記久子
- 本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む(著)かまど、みくのしん
- 傲慢と善良 (著)辻村深月
- わしの眼は十年先が見える:大原孫三郎の生涯 (著)城山三郎
- ずっとイケメンを追いかけていたかったけど、そうもいかないよ現実は。 (著)竹内佐千子
- この世の春(上中下) (著)宮部みゆき
- 封神演義(1)〜(23) (著)藤崎竜
- 全自動お茶汲みマシーンマミコ (著)白井揺
- 本を読むひと(著)アリス・フェルネ(訳) デュランテクスト冽子
- 展示
- ≪人間動物/松下真理子≫≪原爆の図≫@丸木美術館
- ≪日本のまんなかでアートをさけんでみる≫@原美術館ARC
- ≪フィリップ・パレーノ この場所、この空≫@ポーラ美術館
- ≪鈴木のぞみ「The Mirror, the Window, and the Telescope」≫@POLA美術館
- ≪船越桂 森へ行く日≫@彫刻の森美術館
- ≪彫刻の森美術館 名作コレクション +⾈越桂選≫@彫刻の森美術館
- ≪森のなぞ?なぞ?美術館Ⅴ わけいってもあおいやま≫@愛媛県美術館
- ≪空間と作品≫@アーティゾン美術館
- ≪空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン≫@東京ステーションギャラリー
- ≪異文化は共鳴するのか?大原コレクションでひらく近代への扉≫@大原美術館
- ≪まるごと馬場のぼる展≫@倉敷市立美術館
- 佐藤 翠「Dress of Flora – フローラのドレス – 」@小山登美夫ギャラリー天王洲
映像
映画 《インサイド・ヘッド2》
夫に連れられて鑑賞。過去作も見たけどあんま記憶がなかったので大丈夫かなぁと心配していたけど全然問題なく楽しめた!
思春期になって喜怒哀楽では分けられない複雑な感情が生まれること、それらの感情は良い悪いではなく取捨選択されるものではないことをすごく巧みに描いていて、いい映画だな~と思った。冒頭の「ん??」みたいな小さな違和感をちゃんと全部回収してくれるので気持ちがいいんだよな。
あと、子供だけじゃなく大人にも当然感情はあるのだ、というのをサラッと示しているのもいいね、と思った。
映画 《ラストマイル》
桜花さん(id:oukakreuz)にお誘いいただき「MIUもアンナチュラルもミリしらだけど大丈夫ですかね!?」となりつつ見てきた(問題なかったです)みんな大好きライトマイル。
ミステリーであり、サスペンスであり、お仕事ドラマであり…と全部盛りだけど破綻せず、ハラハラしつつ物語を追っていける感じが楽しかった。消費社会を回していく中で生まれる非人間性や格差が我がこととして感じさせるメッセージ性はありつつ、こちらを断罪してくる感じではないバランス感覚が上手いなと思う。
外資企業あるあるの精度が高くて笑っちゃった、弊社もキラキラ五か条みたいなのあるし、本国からの偉い人が「ファ…ファックス!?!??」って腰ぬかしそうになってたことあるある~。
ドラマ《MIU404》
ラストマイルが面白かった&カメオ出演シーンの雰囲気も良かったので見ました。面白かった~!デコボココンビものって結構好き嫌いがあるんですが、伊吹と志摩コンビはなんかちょうどよくてよかった。どっちも好きだけどあえて言うなら伊吹派かな、足が速いから(俊足キャラが好き)あと桔梗隊長がめっちゃ好き、正しいことを真正面に行う女、LOVE。そして最終話の菅田将暉が凄くて、「目の演技~!」となった。
総じてMIUのメンバーがみんな社会正義や人間の善性を信じているところがすごく好きだった、年を重ねるごとに性善説が根底にある物語以外を受け付けなくなっているので…。
ドラマ《アンナチュラル》
MIUに続きこちらも。ミリしら過ぎて、一話の最後に「夢な~らば~♪」ってかかった瞬間「Lemonってアンナチュラルの主題歌だったの!?!?」と度肝を抜かれてしまった。
こちらもとても面白かった!法医学というニッチ(というと失礼ですが)な分野のシーンもストレスなく見れるし「なるほどそうだったのか!」というすっきり感も与えてくれる良バランス。悪が必滅なのもよかったです。
登場人物の魅力はいうまでもなし。石原さとみ、可愛すぎる。こういう甘さの少ない役の方が彼女のスウィートさが際立ちますね。しかし「このドラマでいったいいくつのTスマイルが売れたんだろう」と思わずにはいられない。Tiffanyはスポンサードすべき。
ドラマ《シスターズ》
だいぶ前にTLで話題に出ていて見たいリストに入れていたのを長く放置していたんですが、やっと見ました。冒頭やや単調に感じてしんどかったんですが、物語が動き出したら一気に見れた。三姉妹それぞれキャラがたっていて魅力的だし、絶対に三姉妹がそれぞれを見放したりしないのが良かった。ハイスぺ男性キャラもいるものの、物語を動かすのも壊すのも救うのもどこまでもすべて女なのが「シスターズ」の名に偽りなしでよかったです。最後はちょっと力技というか、未成年は適切に保護されてください!!という気持ちになったけど、でも三姉妹が自由で幸せならエンタメにおいてそれはまごうことなきハッピーエンドなのかも、と思ったりなどしました。
Netflix《バレリーナ》
これもTLで誰かが言及していて見ました。性被害に遭い自殺した親友の無念を、拳と火力ではらしていく話。覚悟がきまりきった主人公も、ふいに出会った少女との連帯もすごくいいのだけど、ここまで体を張らなきゃ復讐は果たされないわけ!?警察何やってんだよ!?と思わなくもない。
ドラマ《虎に翼》
半年間追いかけた朝ドラが遂に完結!途中ややダレたかな、みたいな部分はありつつも総じて楽しく情熱をもって追いかけられて毎日が楽しかった。
女学生時代が大好きだったので、魔女部メンバーがそれぞれがそれぞれの誇りと共に自立していく様をみれたのが嬉しかったな。涼子様と玉の腹心の友シーンは涙なしでは見られなかったし、よねさんはもはや終盤の主役だった。
あと私はずっと花江ちゃんが大好きだったので、花江ちゃんが再婚せず、ずっと直道さんの最愛のお嫁さんとして胸を張って猪爪家を盛り立てていった生き様がリスペクトをもって描かれているところが嬉しかった。
書籍
マリリン・トールド・ミー (著)山内マリコ
作者の山内マリコのSNSで告知されてから楽しみにしていた最新刊。すごく好きで、山内作品で一番好きだったかも。
コロナ禍で閉塞した女子大生とふいに繋がるのがマリリン・モンローという建付けがいいなぁと思う。ふと気になった同性の言動が自分の学びとか気づきのきっかけになることって沢山あるので、すごく親近感というか、我がこととして読めた気がする。
母の期待を背負った娘の話でもあるけど、期待が呪いにならず昇華されるところも好きだった。
お砂糖ひとさじで (著)松田青子
松田青子のエッセイ大好きマンなので、新刊が出る度ワクワクして読んでます。
作者の日常を切り取るまなざしの温度感がすごく好きで、読んでいるとなんかほっとするというか、落ち着くというか、頭が整理されるような気持になる。好きな作家だなぁといつも思います。
回復する人間 (著)ハン・ガン(訳)斎藤真理子
久々に本屋に行って気になって読んだ本。
痛みがあってこそ回復があるというか、痛みや怒りなどの一種暴力的なパワーが無ければ人は次のアクションをとれないのかもしれないなぁと思った。最近、回復や赦しには「怒り」というタームがぜったい必要だなと実感した出来事があったのでなおさらしみるものがあった。
ハン・ガン、代表作「少年がくる」を昔読んだときはあんまりピンとこなかったのに今回はとてもとてもよかったので少年が来るを再読しようかなあという気持ち。
(…とか感想を書いていたらハン・ガンがノーベル文学賞受賞!めでたい)
オール・ノット (著)柚木麻子
柚木麻子が出るトークショーに行くにあたって、作品読みたいなぁと思って最新長編だったこちらを読んだ。相変わらず読みやすく、グルーブ感もあっていいね。らんたんは完全無欠のシスターフッド!って感じでそれもすごく好きだったけど、今回の傷があって近づいたり離れたりする関係の中にもシスターフッドはあるし、清廉潔白じゃないことと誠実さは両立できるんだというメッセージもまたすごくいいなと思った。
水車小屋のネネ(著)津村記久子
松田青子のSNSで激賞されていて読んだんだけど、あの誉め言葉は全く過剰ではなかった…と思えるほど本当に素晴らしい作品だった。2024年ベスト読書のひとつになりました。誠実に生きる人間の強さと周囲のサポートの大切さ、善意が循環していく尊さがすごく胸にきてしまった。人と人が支えあうことはその人を救うことになるというきらめくような事実…。
本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む(著)かまど、みくのしん
オモコロ記事から面白~と思っていたので、書き下ろしが結構あると聞いて書籍化も読みました。爆売れも納得の面白さというかチャームというか。
みくのしんの「精読という言葉の実写版!?(活字版?)」って感じの読解力が凄い。そして太陽属性すぎる言動のあれこれにちょこちょこ「(輝きが)怖い…」とすら思った。みんな言ってるけど実写化しそうだな、いやするな。します。
傲慢と善良 (著)辻村深月
大学生の頃辻村深月に激ハマりしてあれこれ読みまくっていたんですが、ここ最近はご無沙汰だったので久々に読みたくなり目についたこちらを読みました。
相変わらず登場人物の視点の切り替えと物語の走らせ方が上手くて、読ませるね~と嬉しい気持ちになった。ただ正直結末はまったくピンとこなかった。お二人、あんま相性良くないと思いますけど…?ってかんじではある。まぁ余計なお世話か…。
わしの眼は十年先が見える:大原孫三郎の生涯 (著)城山三郎
岡山の大実業家である大原孫三郎の伝記。今夏の旅行で倉敷を楽しみまくり、この素晴らしき美観地区をつくった男のこともっと詳しく知りたい!となり読破。
資産家の長男という”富める者”として生まれ育った孫三郎が孤独を育てていき、その孤独がキリスト教由来の博愛と福祉の精神に行きつくこと、その精神を実業に展開していくというのが凄まじいなという気持ちになり興味深かった。彼の孤独が彼を様々な才能の擁護者にしたんだな~と思うとなんだか果てしない気持ち。
▽倉敷の旅記録はこちら
ずっとイケメンを追いかけていたかったけど、そうもいかないよ現実は。 (著)竹内佐千子
地味に追いかけていたシリーズが遂に完結。前作もそうだったけどもはやイケメンをほぼ追いかけていなくてウケちゃう。でも年を重ねるごとに年若い人間を消費していくことがためらわれるというか、ライブ感のある熱を帯びなくなるのってなんかわかる気がする。最終的に友情と買い物に帰着するのもよかったですが、一括で買えない買い物をあんだけ繰り返しているのはやや笑えない気もする。誇張してると信じたい…。
この世の春(上中下) (著)宮部みゆき
実家にあってなんとなく読み始めたら面白くて一泊二日の出張中のお供にぐわーっと読み切りました。宮部みゆきは現代劇が好きで、ある頃から時代劇ばっかり書くようになってしまったことにいじけた気持ちでしばらく離れていたので本当に久々の宮部作品。
流石の筆力と構成力で「どうなるんだ~!?」というワクワクを常に持ちながら読めるのが楽しくてうれしい。しかし多重人格・お家騒動・ミステリーという要素を全部混ぜても破綻させないってかなり凄いと思う。宮部みゆきの書く、賢い老人と賢い子供が好きなのでどっちもたくさん出てきて嬉しかった。
封神演義(1)〜(23) (著)藤崎竜
9月の連休に体調を爆裂に崩し、体を縦にできない日が続いたときに「活字は読めないが面白い物語が読みたい」となり、ふと思い出して電子版を大人買いして一気に読み切った。小学生の頃夢中になって読んでいた作品だったけど、改めて読むと展開も早く、物語に大きな破綻もなく、熱い展開もエモな関係性もあり、魅力的な作画に美しいエンディング…と「は?超絶神作品じゃん」と改めてびっくりしてしまった。
20年以上前の作品にしては驚異的なほど女性描写にノイズが無いのもすごい。
全自動お茶汲みマシーンマミコ (著)白井揺
長くブログで追いかけていた白井さん(id:yoshirai)の全自動お茶くみマシーンマミコが書き下ろしを加えて書籍化!と聞いた時から「待ちきれません!!」状態だった本作、幸運なことにご恵贈いただき大感激でした。
白井作品は出てくる女性キャラたちがみんなどこか自分や友人たち、今は連絡を取ってなくても過去ふと心を通わせた女たちの影を感じるところがあって、だからこそ全部の物語から目が離せなくなる。テーマ的にはともすればもっと露悪的になっちゃいそうなのにそういう嫌な意地の悪さがないのは、作者の白井さんに一貫して「女という存在への愛」という視線があるからだなと思うし、私はそのバランス感覚が好きだ。
本を読むひと(著)アリス・フェルネ(訳) デュランテクスト冽子
実家の自室の本棚にかれこれ8年くらい積読されていたものをようやっと読みました。
ジプシーの大家族の元に、ある日絵本の読み聞かせをする図書館員が現れる。彼女は家族たちに物語という世界を示し与えていく…という話で、物語が人に与える変化の尊さ、同じ暮らしをしなくても人と人は寄り添い尊重しあうことはできるという希望を感じる話だった。
社会集団において「ケア」というものがとても大切だと思っているものの、まだきちんと言語化できないな~と思う日々で、その補填になればいいなと思って買った本。
自分が求めていた内容とはちょっと違った部分もあるけど、日々無意識に掛けられ続ける「成功者たれ」という呪いをほどいていくヒントがたくさん紹介されていて興味深かった。私は資本主義を絶対悪とは思わないけれど、格差や分断を生むフォーマットであることは間違いなく、心身の健康や社会福祉と資本主義をどのように共生させていくのかを考え続けなければいけないのかなぁとか思ったりした。
展示
≪人間動物/松下真理子≫≪原爆の図≫@丸木美術館
丸木美術館に行ってみたいなと思いつつなかなかいくタイミングが無かったので、企画展がやっているタイミングに合わせてあとりさん(id:aatorii)と訪問。≪人間動物≫は、まさに今の展示というか、今現在リアルタイムで行われている虐殺という事実をじっと問いかけているような静かな強さのあるインスタレーションたちで、その場にいるとぐっと息をのみたくなるような厳粛な強さがあった。
常設の≪原爆の図≫に関しては、本当に打ち負かされるというか、「圧倒的な暴力の前には希望はなく、絶望しかない」ということから目を背けられなくなるパワーがあって、辛くてしんどかった。戦争を肯定的に語る人は、この絵の前でも同じように肯定することができるのかなと思った。かなりタフな鑑賞体験だったけど、見てよかったと思うし、見なくちゃいけなかったとも思う。
≪日本のまんなかでアートをさけんでみる≫@原美術館ARC
以前品川にあった原美術館が群馬の渋川に移転したというのを今更知り、行かねば!となり日帰りで行ってきました。
展示作品は写真・立体・絵画と幅広くカバーしておりすごく見ごたえがあった。品川の原美術館で見て大好きだった安藤正子の作品があったり、品川の原美術館での展示を収めた写真作品があったりと、大好きだったあの美術館の空気感をそのままに新しい場所に展開し、拡張していっているというのが作品を楽しんでいく中で自然に感じられて、とても素敵だなぁと思った。あいにくの小雨模様だったんだけれど野外作品も豊富で、あれもこれもとワクワクする楽しさがあった。つぎは快晴の日に行くぞ!!
≪フィリップ・パレーノ この場所、この空≫@ポーラ美術館
SNSで行っている人も多かったこの展示、夏の暑さで見る蜃気楼のような、かなり精神性の高い展示の数々でトリップ感があって難解でもあり面白くもあった。
メインビジュアルにもなっている金魚バルーンの部屋はもちろん、個人的にはPOLA美術館の新収蔵作品の≪マリリン≫が好きだった。
≪鈴木のぞみ「The Mirror, the Window, and the Telescope」≫@POLA美術館
様々な窓枠にはまるガラスに、その場所から見えていたであろう景色が転写されていてセンチメンタルなようなドリーミーなような…。旅情が刺激されるような感覚もあって、私にとって窓って「旅」なのかも~という深層心理を知れた感じで楽しかった。
≪船越桂 森へ行く日≫@彫刻の森美術館
まとまって見てみたいなと思っていた船越桂の作品群、いざ見ると改めて美しさと静謐なパワーに圧倒される気分だった。
後頭部のまぁるい美しさ、静脈のような木目、こちらを見ているようで決して視線をかわせない黒曜石の瞳…。人間の顔をしているけど人間じゃない、人間を断罪しに来たアンドロイドだ…というぞくぞくっとする気分になった。
≪彫刻の森美術館 名作コレクション +⾈越桂選≫@彫刻の森美術館
収蔵作品の展示も、企画展に合わせて船越桂に関連するチョイスになっていて企画展の副読本的な楽しみ方も出来てよかった。彫刻作品も今まであんまりよく分からんって思ってたけど最近360°みれる立体の面白さみたいなのが分かってきて楽しい。
▽箱根旅記録はこちら
≪森のなぞ?なぞ?美術館Ⅴ わけいってもあおいやま≫@愛媛県美術館
松山で生涯を終えた種田山頭火の自由律俳句を起点に山々をテーマにしたコレクションで作られた展示で、山の絵が好きなのですごく楽しく見て回れた!畦地梅太郎の山々の絵をまとめて見れたのが嬉しい。
愛媛県出身の作家の作品がたくさんそろいつつ、李禹煥などの現代美術も手広くそろえていて見ごたえがある。深呼吸できるような広々と冴えた良いコレクション展だった。
旅先で美術館に行くとその土地に縁のある作家をたくさん知れるのが嬉しいし、好きだなと感じる絵もそれらの作家のものが多くなる。今回は野間仁根の「睡れる旅人」って絵が気持ちよさそうで好きだったな、キャプションで「生涯自由奔放な作風を貫いた」と書かれているのもなんかよかった。
≪空間と作品≫@アーティゾン美術館
インスタの質問箱でお勧めしていただいて久々のアーティゾンへ。
美術品をただ展示するのではなく、生活の中の空間と共に置くことで見え方や印象を変えていく面白い企画だった!普段はガラス越しの応挙の襖絵をあんな近くで見れるとは…!贅沢すぎる。
しかし収蔵品だけで3フロアぶち抜きのこれだけ充実した展示ができるのすごいなぁと改めてコレクションの層の厚さに感服の気持ち。
≪空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン≫@東京ステーションギャラリー
ドリーミーだけど風刺も効いていて、さみしさも感じる絵本的な世界がとても好きだった。いくらでも想像の余地があるというか、作者がすべてを固めすぎていない、鑑賞者に想像の余地を残しているような余裕があってそこも好きだ。
線がすらっとしていて見ていて気持ちがいい。青の色もきれいだ。
≪異文化は共鳴するのか?大原コレクションでひらく近代への扉≫@大原美術館
久々の大原美術館、感無量でした。だいすきな児島虎次郎の絵をじっくり見れたことはもちろん、大原コレクションを辿りながら西洋と日本の交差や美術の展開の変遷を追っていくのが楽しかった。たくさんの大規模絵画が抜けた空間にどーんと展示してあって、空間の贅沢さにもぐっときた。
▽倉敷旅記録はこちら
≪まるごと馬場のぼる展≫@倉敷市立美術館
馬場のぼるの代表作である絵本「11ぴきのねこ」の原画を中心に、漫画や挿画、豊富なデッサンなどが展示されていて見ごたえ十分!絵がうますぎる、絵が可愛すぎる、ほんととにかく可愛すぎる…と脳内大忙し。子供の頃大好きだったものっていくつになっても好きだよなぁ~。会場内は子供もたくさんいたけど、大人たちが一番前のめりになって楽しんでいて、そこもすごくよかった。
佐藤 翠「Dress of Flora – フローラのドレス – 」@小山登美夫ギャラリー天王洲
去年POLA美術館の展示で見て「いいな~」と思った佐藤翠の作品がいくつかギャラリー展示されていると知って訪問。平日のOPENすぐにいったら誰もおらず、美しい絵を独り占め状態でとても嬉しかった!流れるようなドレープとロマンチックだけどどこかピンとした静寂感もある綺麗な絵たち。乙女心とアート心をくすぐる好きな絵です。
ギャラリーなのでカタログにそれぞれの絵の値段が書いてあって、大型作品は当然かなりの値段なんだけど、小品とかは頑張れば手が届くかも…みたいな価格で、「この美しいアートは自分のものに出来る可能性がある」ということにゾクっとしてしまった。
40歳くらいまでに、気に入ったアート作品を迎えたいという願望があるので目を肥やすためにもギャラリー展示にも意識的に足を向けるようにしてもいいのかも…と思ったりもした。
・
・
・
以上!
長くてびっくりしました?私もしました。書いても書いても終わらん。
しかし3ヶ月で振り返ると、映像も読書も展示もバランスよく接種できたかも。と言う気がしている。どのジャンルにも「おもしれ〜!!」と思えるものがあって、改めてエンタメっていいですね。という気持ちになった。この3ヶ月は仕事のんびりシーズンだったので、それも余裕を持ってあれこれ接種できた要因かも。
今月からは繁忙期に入るので、やや力を抜きつつ心の健康のためにほどほどに様々にアンテナをはっていきたいな、と言う気分です。
🍎おわり🍎
▽過去のエンタメ消費記録