あけましておめでとうございます!
みなさま素敵な年末年始を過ごされたでしょうか。私は年始早々近年稀に見るどギツい風邪をひき三日三晩寝込むという脅威のズッコケスタートを決めました。
意識朦朧とするレベルで辛かったんですが無事復活、巻き返すぞという気持ちが燃えに燃えております。
本当は年末に書きたかったんだけど食べるのに忙しく、じゃあ年明け三が日にと思ってたら先述の通り寝込みこちらもおじゃんとなった2022年やってよかった「美術館に行く」振り返り記録です。
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美術館に行く行かないって本当に二極化するなと思っていて、行かない人は本当に全く行かないけど行く人は映画見に行くみたいな感じで行くイメージ。
私も大学生〜社会人3年目くらいまでは近場の展示は結構行っていたんですが、ここ6年くらいは旅行先にあれば行く程度の頻度に落ち着いていました。こういのって本当足が遠のくと全く行かなくなるもんで、21年の年末に「このまま美術館から縁遠くなるのかな…それはなんか嫌だな」と思って一念発起(というほどでもないが…)
2022年は「文化芸術摂取を強化する」という目標を立て、かなり積極的に美術館やギャラリーに赴きました。それらの経験から思ったりやったりしてたことを備忘録します。
- 2022年に行った展示
- 思い出はジャーナルにまとめて。
- 美術館のサポーターになるのって良い。
- 学芸員館内ツアーて楽しい。
- キュレーションて凄いな〜。
- 現代アートへの苦手意識、消える。
- でもまぁ当然全然さっぱりピンとこない展示もある。
- 常設展、見逃すべからず。
- やっぱり平面が好き♪
- 実物はすごい。
- 1人で行っても、誰かと行っても楽しい。
2022年に行った展示
(自分用備忘録。長いんで読む必要は全くない)
- 東京都現代美術館「Viva Video! 久保田成子展」
- 東京都現代美術館「ユージーン・スタジオ 新しい海 EUGENE STUDIO After the rainbow」
- 東京都現代美術館「MOTコレクション Journals 日々、記す vol.2」
- 東京都庭園美術館「奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム」
- Bunkamuraザ・ミュージアム「ミロ展 日本を夢みて」
- GALLERY3「イヴ・ガストゥコレクション」
- 三菱一号館美術館「上野リチ: ウィーンからきたデザイン・ファンタジー」
- DIC川村記念美術館「カラーフィールド色の海を泳ぐ」
- 東京オペラシティアートギャラリー「篠田桃紅展」
- 東京オペラシティアートギャラリー「収蔵品展「1960─80年代の抽象」
- 東京オペラシティアートギャラリー「コリドール展 諏訪未知」
- 東京都現代美術館「Tokyo Cotemporary Art Award 2020-2022受賞記念展 藤井光/山城知佳子」
- 東京都現代美術館「MOTコレクション展「光みつる庭 途切れないささやき」
- アーティゾン美術館「 ジャムセッション写真と絵画-セザンヌよりー柴田敏雄と鈴木理策」
- アーティゾン美術館「Transformation 越境から生まれるアート」
- 東京都国立近代美術館「ゲルハルト・リヒター展」
- 東京都国立近代美術館「MOMATコレクション展」
- SCAI PIRAMIDE「Anish Kapoor: Selected works 2015-2022」
- ワコウ・ワークス・オブ・アート「ゲルハルト・リヒター Drawings 2018–2022 and Elbe 1957」
- ポーラミュージアムアネックス「竹村京と鬼頭健吾 色と感情」
- 国立西洋美術館「自然と人のダイアローグ」
- 三菱一号館美術館「ガブリエル・シャネル展」
- アーティゾン美術館「生誕140年 ふたつの旅 青木繁×坂本繁二郎」
- ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション「南桂子展 透き通る森」
- 東京オペラシティアートギャラリー「ライアン・ガンダー われらの時代のサイン」
- 東京オペラシティアートギャラリー「ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展 色を想像する」
- 東京オペラシティアートギャラリー「コリドール project N 87 黒坂祐」
- 国立新美術館「開館15周年記念 李禹煥展」
- 練馬区立美術館「日本の中のマネ展」
- 東京都写真美術館「見るは触れる 日本の新進作家展」
- 東京都写真美術館「野口里佳 不思議な力」
- 東京都写真美術館「星野道夫 悠久の時を旅する」
- DIC川村記念美術館「マン・レイのオブジェ 日日是好物」
- DIC川村記念美術館「ジョゼフ・コーネル 収蔵品展」
- FARO Kagurazaka Gallery 「我喜屋位瑳務「CHILLDIE IIIII」
…計35展示。
同館内でやってる展示をハシゴしてることも多いのでアレですが、こう見返すと結構行けたなぁと思えて嬉しい。しかし都内近郊は大小さまざまな展示がやっていて、行きたかったけど会期を逃したものとかもチラホラある。まぁもう行きたいものに全て行くのはハナから諦めてる面もでかいんでいいんですが…。
思い出はジャーナルにまとめて。
その展示で1番好きだったもの(あるいは象徴的に感じるもの)のポストカードを1枚買って鑑賞ジャーナルとしています。今はオンラインチケット主流なのでで、ないところも多いけど半券がある場合はそれも一緒に。
ポストカードの裏にはその展示に行った日、一緒に行った人がいればその人の名前、そして簡単な感想をメモっておきます。そんな大層なものではなく、本当に思ったことをつらーっと書くだけ。見返すと意外に「へー、そんなこと思ったんだ〜こいつ面白いじゃん」みたいに、自分で書いた感想に新鮮に楽しみを見出したりできておもしろいのでこれはやってて良かったな〜と思う。
それらは無印のハガキホルダーに入れて管理。ステッカー貼りまくってご機嫌仕様にしてます、ステッカーを貼ると言う行為が好きすぎて止めどころがわからない…でも楽しいからまた貼っちゃう♫キャキャキャ♫
美術館のサポーターになるのって良い。
5月「カラーフィールド展」で初訪問したDIC川村記念美術館があまりにも良くて、ずーっとこの素敵な美術館が存在していて欲しい!と言う思いが爆発した結果、あとり氏(id:aatorii)の真似っ子をして個人サポーターズになりました。
年会費3,000円で、同館の展覧会がいつでも何度でも無料になるというもの。他にも館内のショップやレストランが10%オフになるという地味に嬉しい特典もあり。展示が変わるたびにチラシとイベントの案内が届き、年末にはオリジナルカレンダーまでもらえると言う手厚いフォローで、3,000円はどう考えても安すぎるのでは…?なんならもう少し払わせて欲しいのだが…と思うほどです。
サポーターズ制度ってちらほら色んな美術館で見ますがいまいちコンセプト(?)が分かっていなかったけど、行く頻度関係なく大切に思う場所との繋がり?みたいなものができる気がして良いもんですね。
学芸員館内ツアーて楽しい。
↑館内ツアーに参加する時つけるシール。なんか可愛くて好き、たまに携帯に貼ったりもしてます。
これも川村記念美術館で初体験した館内ツアー。
学芸員さんが館内の展示作品を案内してくれるもので、基本は常設作品をメインに話すんだけどさらっとその時の企画展にも触れてくれるので変化があって楽しい。
担当する学芸員さんによって内容が全く異なるのでその個性を楽しむのもまた一興。個人的には制作工程とかを話してくれると喜びが増します、どうやって書いたんだろ…とよく首を傾げているので、テクニカルな情報が加わると「人が作ったんだなー」と思えてより作品との距離が近くなった気がして好きなんです。
まだ川村記念美術館でしかツアーに参加したことがないので、他の美術館でもやってるところのは積極的に参加したいなと思います。とりあえずはMOTのツアーに参加するのが直近の目標。
キュレーションて凄いな〜。
この一年、ちょこちょこ展示を見ていてつくづく感じるのは展示においてキュレーションがどれだけ大切かということ。
今まではなんとなく、何枚かの展示物がメインであってあくまでそれ単体を見ることが目的、他のものは添え物というかおまけみたいに思っていた気がするんですが、それがこの一年で展示全体の構成やそもそもの展示テーマに依る面白さっていうのがすごくあるなーっとなんか理解できた気がする。
↑(左)2人作家の作品を並べることで写真が絵画からどれだけ影響を受けているのかというのが感覚的に理解できて私の中で写真作品への苦手意識を克服させてくれた(?)思い出のアーティゾン美術館「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×柴田敏雄×鈴木理策」(右)名画をこうやって再解釈したりアプローチしたりするのかって目が開く気持ちになって楽しかった練馬区立美術館「日本の中のマネ」
現代アートへの苦手意識、消える。
2021年まで見に行く展示というとどちらかというと古典名画が多くて、現代アートといわれるジャンルのことはほぼ全く触れずでした。インスタレーションっぽい展示も苦手で、なんかゾワゾワ怖い感じがして避けていた。
それが年始に東京都現代美術館の久保田成子展に行った時「何を考えてるか皆目分からんが、なんか面白いな」という感覚があり、その後いくつかの展示を見ていくうちに、詳しく理解しようとするのではなく、それを見て自分がどんなふうに感じたかとか作者はこんな感じのこと言いたかったのかな〜?みたいなことをうっすーーらと想像してみるとか、そういうことで良いんだなと腹落ち。それ以降は苦手意識がかなり薄まって、なんなら現代作品は自分の現実とも距離が近いので寄り添いやすい気もしてきたほど。
今まで距離を置いてきたものと和解できた(?)感じで、改めて変に「これは苦手だから」と敬遠するのは勿体無いなぁと胸に刻みました。
でもまぁ当然全然さっぱりピンとこない展示もある。
映画と同じで「面白そうかも」と思って行っても全然さっぱりピンとこない時もある、まぁ全然そういう時もある。そこまで外れることはなくても「なんかぜんぶ何もだったな…」みたいなことはある。でもそれはそれでなんかおもろくて好き。そういう時もある、人間なんでね♪
常設展、見逃すべからず。
いままで美術館に行くと言うと、目当ての企画展を見ることが目的で常設は流し見、なんなら見ないこともあったぐらいだったんですが、今年MOTに行ったあたりから常設展示も凄く面白いなって思うようになりました。
その美術館の収蔵品て当然だけどそれぞれ個性と意志があって、この絵を持ってるからこの展示やったんだなとか、これ系が得意だからこの企画展なんだなとか常設を見ているとなんとなくわかる気がして面白い。
あと思いもよらず好きな絵とかが現れて、そこから展開して別の展示や美術館にいくきっかけになったりするのも良いなーと思う。本屋をぶらぶらするみたいな感じかな、偶然の出会いがあってそれが楽しい。
↑MOTコレクション展やオペラシティの常設展でいいなーと思った李禹煥はその後に国立新美術館でやった個展も見に行きました。
やっぱり平面が好き♪
今まで触れてきた作品がほとんど平面だったこともあり、まだまた立体作品への受容性が低い。
立体作品をたくさん作ってる作家の展示でも平面作品があると「好き〜」ってなっちゃうのよね。安心感もあるのかもしれない…。
ここは今後の課題点(?)で、もっと色々立体作品を見て自分なりのチューニングを完成させたいと思っています。映像作品にもまだまだ苦手意識があるので、そこら辺も今後意識して拡張していきたいな。
好みの傾向としては「でっかい抽象画が好き」なんだというところまで固まってきたのでこちらも探究を続けたい。
↑大小さまざまな立体作品が目白押しだった東京オペラシティギャラリー「ライアン・ガンダー われらの時代のサイン」も、結局この平面作品が1番好〜き♡
実物はすごい。
当然なんだけど、本当当然なんだけど敢えて言いたい。どんな高画質の映像より、印刷物より、抜群に本物が凄い。
画像で何回も見たことあるものも実物を見ると解像度1,000%!!みたいな威力で迫ってくる。私は美術に関する知識がないので、大抵「とんでもなく絵が上手い!!」って顎が外れる思いをすることが多いんですが、そのカタルシスが面白すぎてやぱ実物見に行かなきゃね!という思いを新たにします。
↑6月のMOTコレクション展で初めて舟越圭の彫刻作品の実物を見ましたが、あんまり怜悧に美しいので思わず後ずさってしまった。人を滅ぼすアンドロイドってこんな姿をしてそうだな…と謎の想像をして息を飲みました。写真で知ってた頃はあんまり好きじゃなかったんですが、実物の魔的な魅力はものすごかった。
1人で行っても、誰かと行っても楽しい。
これもそれぞれ流派があると思いますが、私は1人で行くのも人と行くのも好き。ひとりで色々考えたり噛み砕いたりしながらのんびり気ままに見て回るのも良いし、誰かと一緒にああだこうだ喋りながら見て回るのも思いもよらない視座が得られたりして凄く楽しい。美術鑑賞って私的にはウィンドウショッピングとかと同じ括りにあるんだろうなぁと思います、1人で行っても、気の合う誰かも行っても楽しいね。
↑本当にたくさんの展示をあとり氏と一緒に行きました。鑑賞中も男性作家の描く裸婦画の乳首ってなんかムカつく、男性作家が女性を楽器に例えて作った作品てなんかムカつく等ささいなイラを共有できる心強いやつ。一緒に行かない時も「これあそ好きそう」等と頻繁にレコをくれる、感謝。この日服装どんかぶりでウケたな〜今年もたくさん行こうな!
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こんな感じで、色々書きましたが一年通してみて思うことは美術館通いってつくづく「自分の性に合った遊び」だなということ。
そもそもが美術館て「空調完備・トイレ完備(たいてい綺麗)・座れるスペースあり」という私がおでかけに重要視してるポイントが基本装備として備わっている。
作品は綺麗で目の保養ができる上、スーベニアショップでちょっとしたお買い物もできちゃうし、美味しいカフェやレストランが併設してることも多い。こりゃ性に合いますわ、楽しいはずですよと膝打ち気分。
世界中に美術館はあるのでワールドワイドに楽しめるし、歳を重ねても続けられる趣味だと思うので楽しいなという気持ちを大事にしつつ今年もたくさん気になる展示に積極的に足を向けていきたいなと思います。
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なんかえらく長くなってしまった。
読んでくださった方ありがとうございます。
今年もゆるくマイペースに楽しかったことなどを綴っていけたらなと思うのでよろしくどうぞ!
完!