暑すぎてキレそう。まだ七月も初旬だっていうのにこの暑さはなんだ?なめとんのか。
自然へのキレはとりあえずおいておいて、美味いもの消費に続き、こちらもあっという間に3か月溜まってしまったエンタメまとめを放出します。
相変わらず記憶が薄くなっている部分も多いけどそこは広くてあたたかい心で読んで欲しいというわがままな気持ち。
- 書籍
- 映像
- 展示
- 「三島喜美代―未来への記憶」@練馬区立美術館
- 「ジェームス・モリソン 子供たちの眠る場所」@KYOTOGRAPHIE
- 「林智子個展 そして、世界は泥である」@京都芸術センター
- 「クラウディア・アンドゥハル ヤノマミ ダビ・コぺナワとヤノマミ族のアーティスト」@KYOTO GRAPHIE
- 「ルシアン・クレルグ ジプシー・テンポ」@KYOTO GRAPHIE
- 「ヴィヴィアン・サッセン PHOSPHOR|発光体:アート&ファッション 1990–2023」@KYOTO GRAPHIE
- 「川田喜久治 見えない地図」@KYOTO GRAPHIE
- 「川内倫子 Cui Cui + as it is」@KYOTO GRAPHIE
- 「嶋春香 仮縫いと野良仕事」@京都市京セラ美術館
- 「ジャイシング・ナゲシュワラン I Feel Like a Fish」@KYOTO FRAPHIE
- 「イランの市民と写真家たち あなたは死なない─もうひとつのイラン蜂起の物語─」@KYOTO GRAPHIE
- 「ヨリヤス(ヤシン・アラウイ・イスマイリ) カサブランカは映画じゃない」@KYOTO GRAPHIE
- 「カール・アンドレ 彫刻と詩、その間」@DIC川村記念美術館
- 「青山悟 刺繍少年フォーエバー 永遠なんてあるのでしょうか」@目黒区美術館
書籍
風と共に去りぬ(著)マーガレット・ミッチェル (訳)鴻巣友季子
ふと思い立って再読。風と共に去りぬは20代半ば頃にはじめてこの鴻巣訳で読み、ものすごく感銘を受けた作品。今読むと色々とアウトなところが多いものの、普遍的な女の生きざま小説。まだ1巻なのでスカーレットのDIVAが本質開花していない。また少しずつ読み返していこう~と思っています。
宝石の国 - 市川春子 / 第一話 フォスフォフィライト | コミックDAYS
宝石の国(著)市川春子
遂に完結する!と聞き、既刊を1から再読しつつ、無事最終回まで完走。
改めてものすごい物語だった…壮大な言葉にうまくまとめられないけど、漫画というより「仏教」という巨大理念をぶつけられている気分になった。すごい、凄まじい物語だった…
守娘 (著)シャオナオナオ
少し前にタイムラインで話題になっていたものがKindleセールにかかっていたのでこれを機に読んでみた。流れるような線の絵が綺麗で、話も虐げられた女性達の無念をそっと救って未来に繋いでいってくれるような素敵な話だった。
グラスホッパー(著)伊坂幸太郎
マリアビートル (著)伊坂幸太郎
AX (著)伊坂幸太郎
高校生から大学生ぐらいの頃に伊坂作品をものすごく読んでいた時期があり、最近はめっきり読んでいなかったのでふと思い立って三部作を読破。軽妙な会話劇や気持ちのいい終わり方なのがいいよな。基本的に勧善懲悪思想があることに加え、伊坂作品の根底にある、(血縁に限らない)"かぞく"という繋がりへの信頼感というものが好きだったことを思い出して良い読書体験だった。
重力ピエロ (著)伊坂幸太郎
三部作を読んでたら伊坂作品の波が来て、こちらも読んだ。私が初めて読んだ伊坂作品なのもあるけど、読み返してみるとやっぱり今も好きだな〜と思う。これもまた家族の話で、作り上げた関係性を信じる話である。
ブランチライン(4)(5) (著)池辺葵
しばらく追えてなかったブランチラインの既刊を2冊まとめて読破。相変わらず眠れぬ夜に読むホットミルクのような物語だ…
真面目に誠実に生きねばな〜と天を仰ぐ気持ちになる。登場人物みんな幸せになってくれ〜!
ファミレス行こ。上 (著)和山やま
フォロワーさんとご飯を食べた時、ものすごい熱量で語られ「あんたがそこまでいうなら間違いなかろう」という気持ちで読んだらとても良かった。前作では「さすがに中学生がヤクザにコネクトするのはヒヤリすぎ」と思って入りきれなかったところがあったのが、大学生になったことでいい意味でフィクションとして楽しむ土台に乗った感じがあった。続き気になりすぎる、はよ〜
40までにしたい10のこと(著)マミタ
3月ごろにSNSでおすすめBLを聞いた時に教えてもらった作品。攻めがマジで目が悪い眼鏡キャラで良かった。こうでなきゃな。
映像
Amazonprime 「宮廷の諍い女」
4-6月何を見ていたってこれを見ていた。10年くらい前にWOWOWで夢中で見ていた中華時代劇「宮廷の諍い女」(改めてなんつう邦題なんだよ)がサブスク解禁されていたなんて…!見つけて即見始めたものの、全76話あるのでかなり長い旅となった。圧倒的に美しい女たちが往生際悪く、かつそれぞれの誇りを持って足掻く生き様ドラマで見ていて「あー最高すぎ」と何度も言ってしまった。
後宮ものは元々そんなに好きなジャンルではないんだけど(女同士が争い合うしかない構造に押し込まれていて、かつそれを女の性根の話みたいに描いてるものも多いから)、これに関しては主人公含め結構な数の女たちが皇帝へのヘイトを溜めまくる描写がたっぷりあり、かつザマァ展開もあるのがいいんだよな。あまりにもそこかしこのSNSで大騒ぎしてたからかたまに「見始めました」って言ってくれる人がいて最高に嬉しい。
NHK朝ドラ「虎に翼」
粒揃いの今季のNHKドラマ、大河は途中で離脱してしまった(そのうちまた見るつもりではある)ものの、朝ドラはリアルタイム&オンデマンドで一生懸命追いかけています。先人がいるから今があるということ、過去の問題は今も解決せず継承されていること、それでも諦めないことがその先に続くのだということをどんと両足つけて腹から教えてくれているような気持ちになるドラマ。
主人公の寅子はもちろん、花江ちゃんが大好き。
映画 「マッド・マックス フュリオサ」
前作怒りのデスロードの日本公開あたりが私のフェミニズムの目覚め時期なので、色々と思い入れのある作品の過去編新作ということで楽しみに見た。前作は行きて帰りし物語だったけど、今作はそれに至るまでの「怒りと不屈」を得るまでの物語でこれもまた好きだったな。主演のアニャ・テイラー・ジョイはもちろん、クリム・ヘムワーズの狂いきれていないどこか哀れな、かといって決して擁護は出来ないようなヴィラン演技がお見事でした。
お塩じゃけ子ときメモGS3実況
我が青春のときメモGS3を圧倒的グルーブ感を持つお塩じゃけ子姐が実況するってんだから見ないわけにはいかないワケ。ってことでUPされるたびに大喜びで見まくっていたし作業用BGMみたいにして結構な回数を回していた。
どのキャラのことも愛情持って語ってくれるのでものすごい安心して見ることができるのがいいんだよね。以前別の実況者が同じくときメモGSの別シリーズのプレイ実況を上げてて、特定のキャラをいじりまくってるのをみて普通に嫌な気分になったので、心理的安全性が圧倒的に担保されているじゃけ子動画は最高。
展示
「三島喜美代―未来への記憶」@練馬区立美術館
シルクスクリーンに転写した陶器の立体作品群は、驚くほど成功だけど当然本物とは違って、大きやさテクスチャのズレがかえってそのものの物質としてのチャームを拡大させてるみたいな感じがして面白かった。
作品数も多かったし、ワンフロアぶち抜き展示もあったりして練馬区立美術館はそんなに規模がない箱なのにそれを感じさせない緩急のある展示ですごく見応えがあった。
「ジェームス・モリソン 子供たちの眠る場所」@KYOTOGRAPHIE
5月の京都でKYOTOGRAPHIE展示をまとめてみたうちの一つ。様々な場所で眠る子ども達の姿から世界の不均等が炙り出されるみたいだった。
「林智子個展 そして、世界は泥である」@京都芸術センター
ジェームズ・モリソンの展示と同時開催されていたので鑑賞。全作品通して湿けた泥の匂いがものすごい生命を感じさせられてすごかった。美術展示ってそういえば無臭なことが多いな、とこの展示を見て気づいた。
「クラウディア・アンドゥハル ヤノマミ ダビ・コぺナワとヤノマミ族のアーティスト」@KYOTO GRAPHIE
作品がパワーを秘めているのは分かるけどなんだかうまく受け取れなかった展示。チューニングが合わない感じがずっとあった、アミニズム的な考え方があんまり精神に馴染んでいないのかもしれない。
「ルシアン・クレルグ ジプシー・テンポ」@KYOTO GRAPHIE
ポートレート好きだなぁと毎度思う。生き生きとした写真から、ジプシー文化の豊かさが伝わってくるようだった。
「ヴィヴィアン・サッセン PHOSPHOR|発光体:アート&ファッション 1990–2023」@KYOTO GRAPHIE
バチギメオシャレ写真たちですごかった。構図カッコ良すぎか?
「川田喜久治 見えない地図」@KYOTO GRAPHIE
撮影者のストイックで冴えた目線がモノクロの画面に映し出されているようでキリッと緊張感のあるカッコいい展示だった。
「川内倫子 Cui Cui + as it is」@KYOTO GRAPHIE
作品から被写体への愛情とかが溢れて出てそれがキラキラ光に透けて見えるような展示で、すごく好きだった。光さす初夏に見れたのも良かったな。
「嶋春香 仮縫いと野良仕事」@京都市京セラ美術館
ミニチュア世界とカラーブロックがポップで可愛い、でもどこか少しの違和感がある。みたいな可愛いだけじゃないところがよかった。切り取り方で見える世界が変わるの、ハッとするね。
「ジャイシング・ナゲシュワラン I Feel Like a Fish」@KYOTO FRAPHIE
溢れるみたいな光の元撮られた写真たちは美しいけど、その背景にあるカーストという差別構造がハレーションを起こしてるみたいだった。
「イランの市民と写真家たち あなたは死なない─もうひとつのイラン蜂起の物語─」@KYOTO GRAPHIE
不正義に声をあげることの尊さと難しさを痛感する日々なので、イランの市民達の勇気にすごく心が打たれる。同時に自分は同じように声を上げられるのか?と問いただされるような気持ちにもなる。
「ヨリヤス(ヤシン・アラウイ・イスマイリ) カサブランカは映画じゃない」@KYOTO GRAPHIE
街の持つパワーが極彩色に変わって迫ってくるようだったな、蜃気楼に目が眩むみたいな展示。
▽KYOTO GRAPHIE鑑賞旅まとめはこちら。もう少し詳しい感想も書いてます。
「カール・アンドレ 彫刻と詩、その間」@DIC川村記念美術館
企画展が変わるたびに行くお馴染み川村記念美術館。今回の企画展はミニマルアート彫刻の大家であるカール・アンドレの日本初個展。小規模ながら同一規格のものが置かれることで生まれるリズムが体感として伝わってくるようで興味深い展示だった。立体作品も詩みたいで、詩も立体作品みたい。
「青山悟 刺繍少年フォーエバー 永遠なんてあるのでしょうか」@目黒区美術館
精巧な刺繍で表現されるアート作品群が見応えがありとてもよかった。刺繍はすごく内面を見つめる思索的な意味合いのある作業だなと思うんだけど、そこに現代の様々な社会問題への視座が加わって青山悟の内面世界や問題意識を形になって表明してくれてる感じがした。
現代に生きる作家の作品を見ると、芸術と現実は地続きであることを改めて実感できるようでそこが好きだなぁと思ったりもした。
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以上!
KYOTO GRAPHHEに行ったのもあり、かなりの数の展示を見た3ヶ月だったな。改めてアート鑑賞って楽しいねぇと思う日々だった。ただ、自分が日常でインプットするものが豊かであればあるほどアートの受け入れ感度も高まる気がするので、アートだけに偏重せず書籍も映像も含めいろんなエンタメを接種していきたいなーとも思う。 今年も厳しい夏になりそうだし、涼しい室内で沢山エンタメに触れるぞ!おー!
🎨おわり🎨
▽前回のエンタメ消費はこちら