稼いだ金全部使うウーマン

賃金を燃やした炎で不確かな足元を照らす日々

4月のエンタメ消費

最高に楽しかった連休が終わり、皆様いかがお過ごしでしょうか。

私は連休に入る前の浮かれた己の「連休明けたら腰を据えてやろ~♡」というなめた態度のツケを全力で払っているところです

休み前にやりたくなかったことは休みが明けてもやりたくない。あたりまえ体操。今や「もういい、もういっそ全部燃やそう」といった気分です。そんな現在の私を苦しめている過去の自分が存在した4月(何言ってんだ?)のエンタメ消費まとめです。

 

 

書籍

3月から韓国フェミニズム書籍強化月間みたいになってるな。

発売前から評判をちらほら聞いていたこちら、とても面白く読みました。

未練のある初恋のカノジョと運命的に再会したらなぜかフェミになってて、でも俺がそんなカノジョを愛することで元の素敵なあの子に戻してあげるんだい!っていう彼氏目線で語られるフェミニズムの話。

主人公の別に性悪なわけじゃない”一般的な善良男性”の目線がすご~~く丁度いい塩梅のミソジニーで、「あるよな~」としみじみしてしまう。大切に思っている異性(夫や兄弟など)と話していて、ふと感じるやるせなさと脱力感があまりにも完璧に再現されている。すごい。

彼女が彼を変えようと過剰に何かを頑張るのではなく、彼女の信条と闘志に基づいた行動をする姿を見せることで主人公の気持ちが揺らぐのがいいなーと思ったな。作中の「世の中が私をフェミニストにするんだよ」はほんそれ案件なのでDiorあたりが次のコレクションでTシャツにしてくれ。

 

コメディアンであり批評家でもある筆者の回顧録(になるのかな)

3月に買ってはいたんですが、序盤あんまり乗り切れず途中で止まっていたのを4月に読了。結果ものすごくよかった。ボディポジティブの話であり、フェミニズムの話であり、レジリエンスの話でもあった。作中溢れる負けへんで精神にめちゃくちゃ勇気づけられる。特にレイプカルチャーとの戦いのあたり、あんなに不利な状況の中でも正々堂々と戦ってる姿は本当にグッときました。

作中、その場で何かが劇的に変わるわけでなくても何年か後にその差別が「クールじゃない」ものへと意識が変化していく様の描写を見て、友達が教えてくれたガンジーの「よきことはカタツムリのように、ゆっくり歩む」という言葉を思い出しました。少しずつでも変化は起こるのだから、腐らず負けずに戦っていくことに大きな意義があるなと思えました。がんばるぞい。

本邦が誇る最高の女ことつづ井さん。「腐女子の~」のころから好きでしたが「裸一貫!~」になってからの輝きはあまりの”希望”っぷりに目をやられるレベル。今回も全力で人生楽しんでてて最高〜!前世からの友たちとのリモート遊びのクオリティがどんどん上がっていく様、まさに陽の狂気でほっこりするんだわ〜

 

今回も大変勉強になりました。焦って投資に手を出す前に現在の支出を見直すことで投資の勝ち分と同じくらいの金をうめるんだぞのくだり、自分のことすぎて読みながら思わず胸に手を当ててしまった。お願い、これ以上正しさで私を傷つけないで…ッ(早くスマホの契約を見直せ)

 

こちらも今回もすごく良かった。巻を追うごとに登場人物たちの幸せを願う気持ちが強くなりまくってもはや祈りっぽい感覚です。♫自分のこと大切にして…誰かのことそっと思うみたいに…(小田和正)が脳内を駆け巡るんだわ。

私も男親不在で育ったので、周囲の優しい人たちが自分に引け目を感じさせないよう全力でサポートしてくれている気配のありがたさって身に覚えがすごくあって、そういう意味でも岳にめちゃ感情移入しちゃう。

これからも大事に追っかけていきたい作品です。

 

 

恋愛が人を変えていく様、ぐっとくる〜〜〜!まさかこんなことこの作品で思うようになるとは序盤では思いもしなかったなぁ。人生の中で長期間でも短期間でも心を寄せた人への気持ちって、確実に血となり肉となるなーって感じました。

 

最終話まで全話無料キャンペーンにのり無事完走しました。ほぼ初見レベルで読んだんですがページを捲る手が止まらなくなるテンポの良さと画面力ですごく楽しいエンタメ体験だったな。

結構な終盤までページを捲るたび新しい変態が出てくるので凄い。あと熊が怖いんよ。

欠落のある人間を陽パ(陽のパワーのこと。そのままかよ)のある人間がぐっと引き上げる様にキュンとするので、杉元、月島…良かったねぇ幸せになれよォ…という気分です。最後結構駆け足だった気がするので単行本の加筆も楽しみ。

 

映像


www.youtube.com

映画「CODAあいのうた」

配信来るまで待とうかなーと思ってたんですが、アカデミー作品賞も取ったしちょうど良い時間帯でやってるしでフラッと見てきました。評判通りの良作で、あんまこういう感想は言いたくないのですがめっちゃ泣いてしまった。歌がうまいのは駄目なんよ…たやすく泣いてしまうのよ…。会場は8割程度埋まっていましたがほぼ泣いてて「まじでみんなで泣いてる」という謎の一体感があったのがややオモロでした。

家族のサポートを第一としている主人公ルビーが歌を歌うことで伸びやかに自分を表現していく様には理屈じゃない良さがあったし、それを生き生きと表す手話は本当に音楽的で美しかった。リトルダンサーで踊ることを雷に打たれるみたいって表現するシーンがあったと思いますが、それを思い出す美しさだったな。すごく良い作品だったし、人にも勧めたいけど、ルビーは才能があったからこそ家族のサポート要員から抜け出せた(と書くと語弊があるかもしれないけど)わけで、本来は別に才能がないとしても未成年が家族のサポートに終始しなくちゃいけない状況はおかしいし福祉まじでしっかりしよ、ちゃんとした福祉をする政治を選び取ろ、って思いを新たにもしました。

 

こんな感じでした!4月は書籍率高いですね。展示を何を見れなかったのが悔やまれるので5月は頑張りたい所存です。

完!

 

今月のベストエンタメ

リンディ・ウェスト「わたしの体に呪いをかけるな」