汗ばむほど暖かくなったなと思ったら雪が降ったり、相変わらず3月の気候は人類を振り回しますね。後半はかなり春だなーて感じで安定しそうだったのに、いきなりめちゃ寒になったな。三寒四温ってこのことですね、まじで昔の人が残した四文字熟語ってたいてい「いやほんとそう」って感じですごいなとおもいます(?)
毎年、東京は桜が満開だーってなったとたん雨が降ってあっというまに葉桜になっちゃうのがさみしい気もする。でも春が大好きなので、嬉しい気持ちの方が大きいかな。
そんな大好きな季節の気配を感じつつのエンタメ消費です。
書籍
母と定期的に最近読んでいて面白かった本プレゼンをするのですが、今回推されたのがこれ。
社会学者の上野千鶴子と作家の鈴木涼美が様々な(主に女性性を巡った)テーマを語り作る往復書簡。ものすごく興味深く、ガンガン読み進められた。
往復書簡という形式上、片方が問いかけて、片方がそれを受けてこたえる、そしてその答えからまた片方が考えを発展させていく~っていう流れなので、読み手も思考を整理したりアップデートしながら読み進められるのが良かったです。
特に男性をめぐっての章たちでは、私がフェミニズムに目覚めた(?)ここ5年ぐらから少しずつ積み重なっていった、ある種の男性嫌悪的な感覚が整理されていったような気がしました。
あと、日々を生きる中で人それぞれ主義主張があることは分かりつつも、あるフェミニストが主張してることに納得できなかったり、一方私の考えが受け入れられなかったりということがままあり、そのたびに「何が正解なのかな~」とクエスチョンになっていた部分が、作中上野千鶴子が言った「フェミニズムは活発な議論のアリーナ。異端諮問も除名もない」という表現ですごく楽になった気がしたな。
上野千鶴子が凄く愛情をもって若い鈴木涼美と対話している感じがあって、意見や質問を歓迎してくれる場にいるようなリラックスした気持ちで読めました。ちょうど読んだのが国際女性デーだったので、ぴったりな読書ができたんじゃないかな~と満足であった。
女子を語るエッセイ群において絶対あげられる名著なのに実は読んだことがなくて、『限界から始まる』で挙げられていたのをきっかけに今回読んでみました。
発刊が2014年なので、さすがに今の感覚で読むと「???」みたいなところが無いわけでもないのですがここまで自分を振り返って、掘り返して、再定義したのが凄~!とうなってしまったな。書かずにはいられない、みたいな熱いパワーがあった。壮絶なデトックスを目の当たりにしたような気がします。
『限界から~』もそうですが、いろんなことと戦って傷ついて、それでも考えることをやめなかった女性たちが総じてたどり着くのが「シスターフッド」なのがいいな。いいなっていうか頼もしいなっていうか、やっぱりねっていうか…うまく言語化できないけど、だよね!!って気分です。
Twitterで見かけて面白そう~って思って読みました。
格差の広がる韓国で、特権を持たずしてソウルという大都会に生きる若い女性たちのオムニバス。
登場人物みんな、自分と地続きだなと思わせるリアリティと、そんなキャラ達が色々ありつつ踏ん張って、そばにいる同性たちと緩やかに連帯していく様がすごく清々しかった。作者の次回作も面白そうなので、早く翻訳出ないかなーって思ってます。
すごい読んでる人多いなーっと思って気になっていたので、『あのこは美人』を読んだ流れでチョイス。ホモソのすくつこと広告代理店でキャリアを積み、40代でフェミニズムに出会った女性の回顧録(になるのかな?)
フェミニズムに目覚めてから、その精神をちゃんと仕事で展開していくのが偉〜!!って思いました。ここでも女たちよ、連帯していこう!とシスターフッドを推していてまたまた「だよね!!」ムーブが止まらなかった。
読むまで、作者が前回のソウル市長選で立候補したあの人なんだって知らなかったので後書き読んでびっくりしてしまった、行動力すごい。
映像
映画「シラノ」
予告で見た美々しい画像にひかれて見てきました。原作は名作古典で、何度も上映されているスタンダードらしいんですが全然知らなかったな~
映像がとにかくきれいで、抒情的な雰囲気の中みんなが歌い踊りながら愛を語るもんだからキレイなPVを見てるような気分になりました。
あと演者がみんなよかったな~。特に主演のピーター・ディンクレイジの「不遇を耐える切なげな演技がめちゃ良」なことはゲースロでわかっていたんですが、今回も魅力爆発してましたね。演技もうまけりゃ歌も歌えるんか~~いって天を仰ぐ気持であった。話としては何というかまぁ…古典だな…って感じの話で、役者の魅力と映像のきれいさでなんとなくええ感じにまとめてけむに巻かれた感が強かったです。ロクサーヌよ、そんなに運命の人をコロコロ変えてはいけない…。
ドラマ『 AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章』8話〜10話
無事無料期間中に走り終えました!全編通して賛否両論っぽいですが、私はみんなが新しい出会いや別れを経験してもたくましくやってく感じ嫌いじゃなかったな。
ただ、キャリーが最終選ぶのがそこ!?みたいな感じはあった。そこ!?っていうか、あんたほんと男の趣味変わらんねぇ〜!というか…。このなんか色々あったけど結局いつものサヤになる感じもSACぽくて良いのかもしれない。
Youtubeドキュメンタリー「This is Paris」
一年位前に初回アップされた時はへぇ〜って感じだったんですが、タイムラインで言及してた人がいて興味をそそられて今更ながら視聴したらめちゃ良かった。私もかつてパリスをゴシップ消費してたクチなので、パリスがこんなにも生の人間で、傷ついていて、その生存戦略としてキャラを演じる強かさと一種の健気さをもったひとりの個人なんだって、なんであの時ちゃんと気づけなかったのかな〜と大反省してしまった。今までも別に嫌いじゃなかったけど、このドキュメンタリーを見てめちゃ推せる女となった。自分の傷ついた根っこに対峙できる人間ってかっこいいなぁとつくづく思ったのと、その傷が癒えてパリスが本当に心穏やかに過ごせる日が来るといいなぁと願うみたいな気持ちになったな。
映画「ザ・バットマン」
シラノを見に行った時に劇場の予告でかかっていて「ロバパティのバットマンめちゃフォトジェだな!」とかるーーい気持ちで見に行ったんですが、すごく好みの話で頭を殴られた気分でした。久々にファンアートを求めてpixivをさすらったよわたしゃ…。いつもなんとなく濡れた犬っぽいブルースも、定期的に頭をぶつけてピヨピヨしちゃうバットマンもルーキー感があって最高に良かった。しかし3時間越えの映画なんて久しく劇場で見ていなかったので、膀胱の限界のフチを覗き込むあの感覚を久々に思い出した。なげーんだよな〜でもトイレタイムがこれといってないんだよな〜…
吹き替えも評判いいので見たいんですが、上映してるところが少ないのと、またあの限界のフチを見るのが怖くて腰が重くなっているところです。
展示
上野リチ: ウィーンからきたデザイン・ファンタジー@三菱一号館美術館
京都旅行に行った時にやっていて気になってはいたけどその場では見れなかったので、東京巡回すると知っていそいそ見てきました。
どの作品もすごく可愛くて、甘いんだけどスイートすぎない塩梅がめちゃ良〜だった。子供の頃、輸入菓子を見たときの胸のときめきみたいなのが完璧再現された感あったな〜。会場はほぼ女性だったんですが、みんなニコニコしながら「可愛いね、あっこれも可愛いね」みたいに囁き合っててそこもなんか良かった。グッズ売り場が長蛇の列なのもなんか良かったな、私も幾つかポストカードを買いました。手元に置きたくなる可愛らしさがあったよね〜。
3月はこんな感じでした!映画館で映画見るのやぱ楽しいなーって思った1ヶ月だった。仕事終わりでも全然やってるので、今後も積極的に足を運んでいくぞいと思った次第です。でも引き続き女の書いた本も沢山読みたいし、美術展も沢山行きたい!全部やりたい!という欲張りムーブ。全部やったるぜ!
完!
おまけ
3月のベストエンタメ
・往復書簡『限界から始まる』
・映画「ザ・バットマン」