1月ももう終わってしまう…。お正月が短かったせいか、はたまた緊急事態宣言で友人とのお出かけがなくなったせいか、なんかあんまり波のないのんびりとしたひと月だったな。
家時間が長くなった分、エンタメ摂取も捗った気がします。先月まとめて見返すと(自分が)楽しかったので今回も引き続きまとめ。
■映像系
『BLACKPINK ~ライトアップ・ザ・スカイ~』予告編 - Netflix
Amazon primeミュージックを初めて聞くようになったBLACKPINKのドキュメンタリー。相変わらず世界から一億年遅いですね。
そんなもんだから有名な何曲かを知ってるだけで、メンバーのパーソナリティはもちろん、なんなら外見すらよく知らなかったのでめちゃくちゃ興味深くみました。
こんな見目麗しいお嬢さんたちが血を吐くような努力をして世界的なアーティストになったんだな…と胸が熱くなってしまった。 研修生時代を振り返る時、「もっと家族といたかった」とつぶやく様が切ない。キラキラした世界はいろんなことを捨てた努力で成り立っているのだと突き付けてくる。まじでみんな健気すぎるので今世も来世も幸せになってくれ…という気持ち。
第72回カンヌ国際映画祭で最高賞!『パラサイト 半地下の家族』予告編
金曜ロードショーから遅れること1日、ネトフリで視聴。
アカデミー賞も納得のクオリティで、めちゃくちゃ引き込まれてみました。テンポがよく、すべての画角がびしっと決まっててかっこいい。韓国映画のクオリティに圧倒される感がある。
そしてすごくおもしろかったけど、「面白かった~!」とエンタメ消費をすることを許さないぐらいのエグさ。超えられない階層、ぬぐい切れないしみついた階級の匂い…。ソン・ガンホの演技力…すご…
とてつもねぇやおい(概念)を見ました。
J.ロペスがすげぇ!って聞いてはいたんですが、こんな…こんなクソでか感情映画だったなんて聞いてません!!!ってややパニックになった。全部がうまくいっていたころの回想が幸せそうであればあるほど、最後のシーンが胸を切なくさせる。「私たち、最強だったよね?」の言葉に俺様は泣いたね…。あまりに良質なクソでか感情映画だったので、今見ると予告編とかの「ぶっ飛びガールズムービー☆」みたいなあおりに違和感しかないのであった。
クイーンズギャンビット
評判がいいので見てみました。画面がめちゃくちゃ可愛いな〜とは思いつつもあんまハマらずダラーっと見ていたんだけど、最終話の自暴自棄飲んだくれからの展開が激アツだった。誰もが書いてる事だけど、負けた相手の誰もベスの足を引っ張ろうとかせず、敬意と協力の姿勢を見せるのがすごく良かった。そしてそこが主題じゃないと知りつつベス怒りの模様替えシーンが好きでリピートしてしまう。あの家に住みてえ
きらめく帝国~超リッチなアジア系セレブたち~
地味に話題になってるリアリティショー。規格外金持ちネタすごい好きなので楽しく見てます。あまりにも自分と無関係すぎて謎のヒーリング効果があるんですが、パラサイトとか見て階層とは…とか感じ入ってたくせにこれにヒーリングを感じる己のこの浅慮さよとやや罪悪感もある。まぁどれだけお金があっても人間が直面する悩みって案外変わらないなという普遍性を感じたりなどもしました。クセつよ登場人物みんなそれぞれ好きですが、ややおっとりしていつもおしゃれなジェイミー推しです。
■書籍系
- 作者:ナオミ・オルダーマン
- 発売日: 2018/11/23
- メディア: Kindle版
新年初読書。先月読んだ「誓願」の巻末解説に挙げられていた本を少しずつよんでいくべぇと思ってチョイス。
ある日女性にパワーが授けられ、男女のパワーバランスが逆転するSF(ディストピア?)小説。随所のミラーリングが巧みで「ひでぇぇ」って思うような描写も、現在世界のどこかで女性が受けている被害なわけで、読み終えたとききつい皮肉にムーンとした気分になりました。これがディストピア小説なのであれば、女性にとって今現在この世界はディストピアということだよね、という悲しさ…。しかしこれを読書リストに載せたオバマの知性よ~~~という気持ち。
山内マリコもエッセイばかり読んでたので今回初小説。テンポがいい文体だし、東京が舞台なので場所を想像しながら読めるのも楽しい。東京の上流家庭出身のお嬢様と、地方上京組女子の物語と聞くと階層固定のドロドロした話かと思いきやそんな事全くないのが好きだな~と思う。みんなそれぞれの場所でそれぞれのつらさがあるし、それと折り合いをつけて進んでいくのは結局は自分次第というごく平凡だけどなかなか難しい結論をつかみとった登場人物たち、えらいぞ~~。
芥川賞候補になった!と聞いてまじか~~となって読みました。そしてその後芥川賞も取った。すげぇ~~。
推しごと小説かと思っていたけど、女性の生きづらさをかいた秀逸小説だった。私はここまでの推しを持ったことがないけれど、人生の折々で生きづらさをため込んだとき人は何かの支えが必要だし、そしてその支えとの付き合い方がまたその人を追い詰めることがあるのもわかる気もするなと思って読んだ。
叔母の孤独死しに直面して一念発起した主人公が、よく死ぬには(?)を模索する漫画。
カレー沢薫のローなノリでゆるく見えつつもめちゃ本質的なことを書き出してて名作だと思う。私も結構のほほんと親の庇護に甘えて大人になったので、主人公の気づきと挫折が他人ごとではない感ありしかな。今後死ぬ予定がない人以外は読むべき、みたいなコメントをどこかで見たけど全くその通りだと思います。
最終巻が来月発売やんけ〜と思って1巻から再読。
相変わらずびっっっくりするほど名作だな。という思いを新たにするなどしました。長い物語をここまでダレさせず芯を通して作れるの凄すぎ〜(感想浅)
この大スペクタクルをどうやってまとめ上げるのか楽しみでしかない。最終巻が待ち遠しい!
推し翻訳家の鴻巣友季子の2020年推薦図書みたいなまとめに載っていたので軽い気持ちで読み始めたところあまりの良作に震えた。
アメリカの南部の湿地帯で孤独に暮らす少女の一代記ともいえるしサスペンスともいえる。とにかく圧倒的に文章が良くて、肥沃な湿地帯とそこの自然が手に取れるようだし、主人公の染み渡るような孤独と諦觀が胸に沁みる。昔読んだコラム・マッキャンのゾリを思い出したな。とにかくすごく良いからみんな読んでくれ〜ってなった。
こんな感じでした。今月は映画館にも美術館にも行かなかった…。来月は行きたいなーと思いつつ、緊急事態宣言も延長されるっぽいしなかなか難しいところですね。個人的には映画館も美術館も1人でサクッと行くのはアリだと思ってるので、タイミングを見つけていきたいな。
今月特に心に残ったのは映画「ハスラーズ」と小説「ザリガニの鳴くところ」です!良質なエンタメが世界に溢れていてありがてぇという思いを強くしつつ、完!